チシマギキョウは乗鞍岳以東、南アルプス以北の中部山岳、東北地方、北海道の各高山帯にかけて広く分布し、高山帯の日当たりが良く適度の湿りがある岩れき地または岩壁の裂け目などに生育します。
現在栽培されているものの多くは大正時代に色丹島から採取されたもののようです。その中でも、及部氏が色丹島のチシマギキョウの変異タイプを複数入手したものに、シコタンギキョウとオヨベキキョウがあり、この花はシコタンギキョウのようです。
シコタンギキョウは花付も良く底白の優雅な花が咲き、栽培に適している品種のようです。長いことチシマギキョウと思っていましたが、花の特徴からシコタンギキョウではないかと思いました。
高山植物ですが、1年で鉢いっぱいに根が回るために花後の植え替えは欠かせません。しかも植え替えることによって数倍に殖え、関東地方の住宅地の猛暑にも耐えて、毎年綺麗な花を咲かせてくれます。
上のシコタンギキョウは、自宅で2018年4月18日に撮影したものです。
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シコタンギキョウの育て方
シコタンギキョウ 2014年5月1日 撮影 栽培品
和名 | シコタンギキョウ |
学名 | Campanula chamissonis cv. |
科名・属名 | キキョウ科 ホタルブクロ属 |
分布 | 色丹島のチシマギキョウの変異タイプ | チシマギキョウの分布 | 乗鞍岳以東、南アルプス以北の中部山岳、東北地方、北海道の各高山帯にかけて広く分布し、高山帯の日当たりが良く適度の湿りがある岩れき地または岩壁の裂け目などに生育する |
花期 | 7~8月(自生地) 4~5月(栽培) |
特徴 | 葉に波状の鈍鋸歯があり、萼片は全縁で花冠のの裂片に長毛があります。 高山帯の砂礫地や岩場に生える多年草で、高さ5~15cm。 花時に根生葉や下葉が良く発達し茎葉は小さく少ない。根生葉はへら形で長さ1.5~9cm、幅4~15㎜。 花冠は青紫色、長さ3~3.5cm、3分の1程度5裂します。花柱は3裂。最初の産地が千島であったことから、チシマギキョウの名があります。 及部氏が色丹島のチシマギキョウの変異タイプを複数入手したものに、シコタンギキョウとオヨベキキョウがあります。 これはチシマギキョウとしていただいたものだが、シコタンギキョウは花付きが良く、底白の優雅な花が咲くということからシコタンギキョウのようです。 |
育て方 | 根茎は地表近く伸びるので、深植えを避けて、心持ち浅めの鉢に植えます。 微塵を取り除いた軽石、日光砂、硬質鹿沼土などの混合用土を用い、鉢底にゴロ土を入れ根に触れないようにマグァンプK 入れて排水良く植え付けます。 早春に置き肥をし、真夏と冬を除いて1ヶ月に2~3回水肥を水代わりにやり、定期的に病気・害虫から守るために薬剤散布をします。 水は表面が乾いたらやり、真夏は夕方に、鉢と鉢のまわりにたっぷりやり、夜間温度を下げるようにします。それ以外の季節は朝にやります。夏は乾きやすいようでしたら朝もやります。 春と秋は日当たりを良くし、夏は風通しの良い日陰で、冬は日当たりがよく、風の当たらない所で管理します。 我が家はポリカーボネートの波板の屋根下で管理し、真夏は寒冷紗で日差しを調節しています。 1年でかなり根がはるので、植え替えは毎年、花後に新しい用土で根を整理しながら株分けをかねて行います。 夏に根がはっていると根腐れの原因になるので、毎年植え替えを行うことが大切です。 |
長い間「チシマギキョウ」と思っていたのはチシマギキョウの変異タイプの「シコタンギキョウ」だった
シコタンギキョウ 2016年4月24日 撮影 栽培品
「シコタンギキョウ」は及部氏が色丹島のチシマギキョウの変異タイプを複数入手したものに、シコタンギキョウとオヨベキキョウがあるようで、これは花付も良く底白の優雅な花が咲くようです。
cv.(栽培品種のこと)が付いていますから、チシマギキョウの栽培品種という事になり、花もとてもきれいで栽培するのも容易なのかもしれません。
30年以上も前からこの花を殖やし続けていたのですから、チシマギキョウの原種は見たこともなく、栽培をしたこともないのでどのくらい栽培に違いがあるのかもわからないことになります。
たぶん私たちが(夫も)栽培ができるうちは育て続けることが出来ると思いますが、殖やしてたくさんの方のところに行っているのでいつまでも残ってくれると思っています。