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園芸メモ・園芸情報

実生見聞録より(種子銀行の会誌)用土についてⅢ

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用土についてⅠ 用土についてⅡ 用土についてⅢ 用土についてⅣ

基礎編(用土についてⅢ)

種子銀行の会誌の記事をご好意でお借りしたものです。用土と水やりについてとても詳しく書かれています。山野草栽培のお役に立つことが出来ると思います。

4.用土の保水性と通気性

前回に用いたカットで説明致します。下図の様な粒子組成を持った用土層があるとします。これに充分潅水すると、水はその重さによって浸透し、余分の水は重力水として排水されますが、その量はAよりB、BよりCと順に少なくなります。

一方、毛管水として用土に留まることのできる水分量はAよりB、BよりCと順に多くなります。従って水分の面だけを考えると、Aは比較的水の要求が少ない植物用、Cは水分を多く必要とする植物用、Bはその中間用の用土と言う事が出来ます。またA、B、Cそれぞれの用土に同じ植物の種類を植え込むとすると;A:はあまり風の当たらない日陰の様な、乾燥の激しくない環境で栽培するに適した用土であり、 C:は日が十分に当たり、風が少々あって乾燥しがちな環境で栽培するに適した用土と考える事ができます。

このように用土中の水分は、日光や風などの影響により、蒸発損失量が変わってくるので、用土の選定に当たっては、それぞれの栽培環境を充分考慮のうえ、決定する必要があるので、これらの関連性については、後で更に検討を加えます。

非毛管孔隙;用土粒子の組成が水分の保持に重大な影響を持つことは、上の図でも理解できることと思います。粒子と粒子の間の比較的大きな間隙を非毛管孔隙と言います。非毛管孔隙が大きいと、即ち、粒子と粒子との隙間が大きいと、潅水された水はたちまち重力水となって排水されます。図で言えばAの場合です。

図のCや、更に細かい粒子ではこの隙間が小さく、たっぷり潅水すると各々の毛管作用で水分を捕まえてしまうので、小さな隙間(毛管孔隙 )に水が充満し、水分が多すぎる用土となります。

毛管孔隙とは、毛管作用によって水分を捕らえることの出来る隙間(孔隙)と言うことなので、毛管孔隙の多少によって、水分を捕まえる能力の大小が判ります。

粒子と粒子の隙間でも、水を通してしまうもの、即ち非毛管孔隙と、水を留めて置く隙間、即ち毛管孔隙の二つの形がある訳です。用土の水はけの能力(=排水性)は非毛管孔隙によって定まり、保水力や通気性は毛管孔隙で知ることが出来ます。

一般的に用いられている用土素材の非毛管孔隙の比率は上の表が概略です。

腐葉土はその90%が隙間なので排水性が非常に高い用土であり、パーライトなどの人工用土は保水力に優れた用土でります。

乾燥が激しく、潅水が間に合わないような場合には、用土に保水性の高いパーライトを加えるとか、色々な工夫で補うことが考えられます。これらの混合比率から数学的に非毛管孔隙や毛管孔隙が計算できます。例えば、鹿沼土を主体とした用土で水分が多すぎると思われる時は軽石や他の水はけの良い用土を配合するなど、植物の顔色を見ながら混合比率を調節できます。

但し、これは原則論で粒子の大小や粗粒・細粒の比率によっても非毛管孔隙の割合が勿論変わってくるので、上記の表は一つの標準的な目安と考え、現実的には各々の栽培者が自らの環境に合った用土中の水分の量を工夫が必要なのは言うまでもありません。

私の場合、水分の多く欲しがる物、乾燥気味に管理するものなど、多種多様な性質の植物を相手に、一つ一つに用土の配合を考える事は不可能です。年間1000袋からの用土を使うので90%は硬質鹿沼土(10%は軽石や川砂)です。粒子の程度で植え付ける訳です。その方法は簡単で山盛りにすると粗い粒子は下に転がるので、植物によって粒子を選択して使用するだけです。

凍結により鹿沼土の粒子は崩れ隙間が無くなるので、軽石や川砂をつなぎとして使います。

○ 簡易観察法:ペットボトルを鉢やポットに見立てたサイズに切り取り、底に穴を空けて用土を入れる。いつもの通り潅水して中を観察します。さて、水はどのように分布していますか。また、乾燥はどのような水の移動で行われますか。この様な観察用ペットボトルを何カ所かに置いて、自分の水やりの習慣と実際を知ることが大切です。

※ ○:次回は空気の為の隙間と水の為の隙間 ○:水分は用土からどのように放出されて行くかなどに考察を加えます。

用土についてⅣ(空気のための隙間と水のための隙間・水分は用土からどのように放出されていくか)

山野草栽培の基本と注意点

上の栽培法は、関東地方の狭い住宅地で夜間もエアコンの熱風が出ているような場所で栽培している、わが家を基準にしています。

高山植物や、山野草を育てるにはかなり過酷な場所で、工夫しながら育てています。

猛暑日が増えてきてからは厳しくなった面もありますが、植物が私たちの愛情にこたえてくれるように慣れてきているものも多くなっています。

鉢植えの場合、すべてに書くことが出来ませんでしたが、鉢底には軽石などのゴロ石を入れて水はけを良くしていますし、植物によっては溶岩の砕いたものを入れています。

鉢は山野草鉢のように水はけのよいものを用いています。

病気になりやすいものもあるので、用土は新しいものを使い、微塵を抜いて、湿らせてから使った方が良いとは思っています。

私は宮城県の住宅地でも高山植物を育てたことがありますが、それほど気を遣わなくても、此処ではそだたないものも殖えすぎるくらいに育っていましたので、もっと楽に育てられるところの方が多いと思っています。


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